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キャリアコンサルティング

2018/05/28

【コラム】キャリアコンサルティングによる女性管理職の発掘・育成

 私には心残りのことがあります。以前、私が勤めていたメーカーでのこと。「女性管理職を取り入れたい」というその企業に、人事総務課長として中途採用で入社した時の出来事です。私の下には、入社 7 年目の女性の部下がいました。彼女はインターンシップや新卒採用を担当する傍ら、外国人社員の日本語研修もこなし、目下の者の面倒見も良く、また、入社間もない不慣れな私に業務ばかりでなく、社内の複雑な人間関係も教えてくれ、本当によく気がつく女性でした。

 そんな彼女の働きぶりを目にして、私には素朴な疑問が浮かんでいました。「彼女自身、管理職についてどう考えているのだろうか」と。


 彼女は役職のない一般社員でした。部下もいません。「もしかして、彼女自身が管理職を望んでおらず、責任や判断や権限の無い一般社員を望んでいるのかな」とも感じていました。 残念ながら私は面接時と入社後の業務内容の違いから、その企業を試用期間で退職することになりましたが、退職前に彼女と二人になれる状況をつくり、キャリアコンサルティングを試みました。すると、彼女から意外な答えが返ってきたのです。

 実は、彼女は管理職になりたい気持ちが強く、上司にも訴えたことがあったそうですが、取りあってもらえず、諦めたというのです。また、自分の上席に中途採用で女性管理職が採用されることに不快感をもっていました。中途採用で女性管理職を採用するということは、自分はいつまでも一般社員のままで、この状態が今後も続くようならモチベーションは下がる一方だ・・・というのです。


 彼女は、今まで誰も自分の気持ちを聞いてくれる人がおらず悶々としていたそうです。社内の人間に話すのははばかられたことだろうと察しはつきます。「初めてこんな話を聞いてもらえました」と、彼女はとてもすっきりした様子でした。もう少し彼女のキャリアコンサルティングを続けていれば彼女の状況は変わっていたかもしれない、と思うと残念でなりません。それと同時に、 彼女は特別な女子社員ではなく、多くの企業で発掘されず埋もれているであろう女性管理職候補ではないとも思えました。

 内閣府は 2020 年に女性管理職 30%を目標に掲げています。2017 年8月の帝国データバンクの調査によると、企業の女性管理職の割合は平均 6.9%となっています。前年比から 0.3 ポイント上昇しているとはいえ、まだまだ目標には遠い状況です。

 キャリアコンサルティングには、女性管理職の発掘や育成という一面に対しても非常に効果があると私は強く思います。

(文:エムキャリ・コラム編集部)

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