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キャリアコンサルティング

2018/09/28

【コラム】企業内キャリアコンサルティングの実例~20代男性Dさん(販売職)の場合~

 今回は、私がこれまでに企業内キャリアコンサルティングを行った方の一例をご紹介します(守秘義務の範囲内で了解を得ています)。

 20代男性のDさんは、家電量販店で某通信サービスをご案内する販売職の仕事をしていました。Dさんは、毎月目標として一定の契約件数を定められていましたが、目標を達成できたことが今までなく、自信を失ってしまい、どうしたらよいか分からない状態でした。一方で、Dさんの指揮命令者である上司から、「Dさんが目標をなかなか達成できずやる気を失っているのではないか。話を聞いてみてくれないか」という相談を受けていました。

 そこで、Dさんと面談を行ってみると、確かに目標を達成できない自分に対してやるせなさを感じ、自信を失っていることが分かりました。「今の仕事は自分に向いていない」「会社に貢献できていない」など、自分を責めてばかりいるように感じました。

 私は、Dさんの抱えている課題を整理することにしました。Dさんにとって最優先すべき課題は、やはり「目標を達成することだ」ということでしたので、どうすれば達成できるのかを一緒に考えることにし、1ヶ月の目標契約獲得件数から逆算することで、今すべきことを見出すことにしました。

 例えば、1ヶ月で20件の契約獲得目標が与えられたとします。1ヶ月の出勤予定日が20日間とすると、11件の契約獲得ができれば目標を達成できます。もちろん、毎日同じように獲得できるとは限りませんが、目安として意識する必要はあります。

 では、「1件の契約を獲得するためには何をするべき」なのでしょうか。Dさんに考えてもらったところ、「ブースにお客様を呼び込んでサービス説明をする必要がある」ということでした。そして、Dさんのこれまでの経験上、「サービス説明を行ったお客様の内、3組に1組は契約していただけている」ということでした。また、「ブースにお客様を呼び込むためには何をする必要があるのか」聞いてみたところ、「店内を行き来するお客様への声かけが必要」とのことでした。再度、「何組に声かけをしたらブースに呼び込めるのか」をDさんに考えていただいたところ、「10組のうち1組」という回答でした。

 ということは、計算上、「1件の契約を獲得するためには3組にサービス説明が必要」であり、「3組にサービス説明をするためには30組に声かけをする必要」があることになります。1日実働8時間とすると、30組に声かけをするためには「1時間で4組、15分間で1組に声かけをする必要」があります。

 ここまでで、今、自分がやるべきことが明確になればよいのですが、まだ難しい場合は、さらに逆算して考えます。「15分間で1組声かけをするためにはどうする必要があるのか」というように・・・・

 このようにしてDさんと一緒に考えたところ、Dさんは「今すべきことが明確になった」と言って面談を終了しました。

 後日、Dさんの上司からは、「Dさんは以前よりも集中している様子が感じられる。動きに機敏さが出てきた。今後期待できそうだ」というお話を伺うことができました。

 企業内キャリアコンサルティングは、社員の自律的キャリア形成支援を行うことはもちろんですが、そのために必要であれば、今回のように課題解決に向けた具体的な目標達成支援を行うこともあります。企業内キャリアコンサルティングに期待されることは、組織やクライエントが抱える課題により多種多様です。私たちは、組織やクライエントのみなさまそれぞれが抱える課題に個々に対応し、「社員の自律的キャリア支援を通じた組織活性」「個人と組織の統合」を図る支援を行っています。

 (文:エムキャリ・コラム編集部)

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