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キャリアコンサルティング

2018/07/31

【コラム】企業内キャリアコンサルティングの実例~20代女性Aさん(販売職)の場合~

 今回は、私がこれまでに企業内キャリアコンサルティングを行った方の一例をご紹介します(守秘義務の範囲内で了解を得ています)。

 私がAさんと出会ったのは約8年前。当時のAさんは20代中盤の女性で、仕事を退職した所でした。キャリアコンサルタントの私のもとにやってきたAさんの相談内容は、以下のようなものでした。

・前職に関しては、業務内容的にも職場環境的には自分には合わず、数年勤めたが退職した。
・転職活動をしようとは思っているが、身が入らない。
・今後どのような仕事をしていけばよいのか、分からなくなった。
・このまま悶々としているわけにもいかないが、どうしたら良いのか分からない。

 私の率直な印象としては、A子さんは自分のキャリアを考えることに迷子になっているように見受けられました。そこで、私はAさんに対し「自分が何をしたいのか」「何をしている時に楽しく感じるのか」という質問を投げかけました。すると、「ジュエリーを扱っている時に楽しさを感じる」という答えが返ってきました。Aさんは、趣味が高じて専門学校にも通い、ジュエリーをデザインすることができたのです。それにも関わらず、前職は一般企業の事務職。「なぜ?」と聞いたら、「たまたま縁があったので・・・・」とのことでした。

 そして、面談を進め自己探索を重ねていくと、Aさんにとって働く上での大切な要素は、「ジュエリー」ということでした。しかし、デザイン職ともなると実務経験が問われることが多く、転職先としては実務経験が無かったため難関です。そこで、Aさんには自己探索をもっと重ねてもらいました。すると、「今はデザイン職にこだわるのではなく、ジュエリー業界に身を置きジュエリーを扱う仕事をしたい」という思いに行きつきました。

 その後、Aさんはジュエリー業界での転職活動を始めました。中途で実務経験が無い状態での転職活動は、当時、なかなか難しかったのですが、Aさんはジュエリーにかける思いを伝え続けることで、ある有名ジュエリー企業の販売スタッフとして縁をつかむことができました。ちなみに、雇用形態は派遣スタッフとしてです。転職活動中にも実施したキャリアコンサルティングの中で、Aさんには「どうすることが今、自分にとって最も重要なことなのか」を考えてもらっていました。Aさんとしては、「まずはジュエリー業界に身を置くこと」という選択をしていました。そのため、最低限の諸条件は念頭に入れながらも、雇用形態は気にしていませんでした。

 派遣スタッフとして勤務を開始したAさん。ジュエリーに対する思いをもちながら、自己理解・自己受容をしっかりした上での勤務スタートでしたので、自分に対し良い意味で自信をもちながら、先輩方に教えを乞いつつ、業務に邁進していました。すると、自分のお客様を徐々につくることができ、間もなく、その店舗で欠かせない戦力になっていました。

 私はAさんに対し、引き続き定期的にキャリアコンサルティングを行っていたのですが、環境や状況が変わるたびに、Aさん自身が感じていた課題も変わってきました。具体的には、「どうすれば販売スタッフとしてレベルアップできるのか」「お店に貢献できるのか」というものです。私とAさんは、キャリアコンサルティングを進めながら、そのように移り行く自分の課題に対しどのように捉え、どのように行動していくかを確認し合っていました。

 半年後、Aさんは派遣先の企業から評価を受け、契約社員に転籍しました。直接雇用になったのです。その後は、キャリアコンサルティングの回数は減ってきたのですが、Aさんにお会いするたびに課題が変わっていて、それを自分でどう乗り越えていくかを考えられるようになっていました。その2年後、Aさんは正社員登用され、そのまた2年後、店長に抜擢され、現在も活躍しています。

 Aさんは、業界・職種未経験からのキャリアアップを果たしています。これは、キャリアコンサルティングを通じて、Aさんが自分の課題を自分で解決の方向に向かわせることができるようになったことが大きな要因であると考えられます。直面する課題に対し、自分で考え、自分で選択し、自分で行動できるようになる。キャリアコンサルティングは、このように個人の「自律」を促す役割を大きく果たしています。

 今回のケースでは、Aさん個人の「自律」により店長を育てることができ、就業先企業の人事担当者様も非常に喜んでいらっしゃいました。キャリアコンサルティングの効果を実感していただいていることだと思います。

 (文:エムキャリ・コラム編集部)

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