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2019/07/12

【コラム】産休・育休の女性のキャリアアップ支援を

 先日、ある企業の女性活躍推進部会にファシリテーターとして出席しました。その企業では女性の活躍を大いに期待されているそうで、女性が働きやすく自己の能力を最大限に発揮し、業務向上に貢献する職場づくりのための案を会社に提言することが、その部会の趣旨でした。

 出席者からは、「女性社員の産休・育休明けの職場復帰の受入態勢を整える」「女性管理職になるためのセミナーを開催する」「ライフスタイルに合った働き方が選択できるようにする」「在宅・時短・フレックス制を設ける」など、それぞれの立場で闊達な意見が出ていました。中でも「産休・育休後、自分が会社の中でどのようにキャリアアップしていけるか、面談を行う」という意見が印象に残りました。

 妊娠や出産を機会に会社を辞める女性は減り、育児をしながら職場復帰する女性が増えてきました。しかし、産休・育休制度は整ってはいるものの、復帰後の受入態勢までしっかり準備している会社はまだ多くはないと思います。今回の部会でも復帰後の業務内容(同じ部署・ポジションに戻れるか)、働き方(出退勤時間や時短勤務などの配慮)、男性と同じ評価をしてもらえるのか(長期離脱による低評価)、などといった不安があるようでした。

 このような不安を払拭し、今まで以上に女性社員に安心して働いてもらい、会社に貢献してもらうためには、どのようなことが必要でしょうか。

 まずは、職場復帰後の女性社員の現状を上司がしっかりと聴き、受け止めることが大事だと考えます。女性社員の本音や困っていること、できること、やりたいことなど、時間をつくって丁寧に聴きます。上司だけでなく、部内で情報を共有することも大切です。また、「育児が大変そうだから負担の大きい仕事を任せるのはよそう」「育児中だから、役職を与えるのは無理」など無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス:思い込み)を上司や周りが抱かないことも重要です。そして、上司だけでなく、社内全体で育児中の女性に対する意識改革を図らなければなりません。それには経営陣の意識改革を進めることがもっとも大きな課題になると考えます。外部から講師を招き、女性の活躍推進の必要性についてなど、研修を実施してみるのもいいでしょう。

 話は少し戻りますが、件の企業の部会で「女性上司がいてくれたから産休や育休などについて相談しやすかった」という意見がありました。業務の引継ぎなど事務的なことは男性上司に対しても話せるでしょうが、業務以外の体調面や精神的な不安など、女性同士だからこそ話せる悩みや女性ならではの気づかいがあるのは事実です。

 女性の役職者が少なく、女性の相談を受ける環境が整っていない企業においては、女性のキャリアコンサルタントを活用してみてはいかがでしょうか。企業の考えや思い、産休・育休制度などについて事前にキャリアコンサルタントと綿密に打合せ、しっかり情報共有をした上で面談を実施します。復帰後にも面談を行い、彼女たちが不安なく業務に取り組める環境を整えておくことにより生じる安心感が、働くモチベーションや会社へのエンゲージメントを生み、業績向上だけでなく、社員を大切にするという企業価値の向上も期待できるでしょう。

(文:エムキャリ®・コラム編集部)

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